言葉の力2008/04/16 11:19

エルが友達と一緒におやつを食べていたとき、一人の子が「○○ちゃん、マシュマロ苦手なんだって」と言いました。周りのママたちは「苦手って、大人っぽい表現だね~」と感心していたら、その子のママが「苦手っていうのはね、牛乳を嫌いっていっちゃうと本当に嫌いで飲まなくなっちゃうから、牛乳は苦手だよね、だけど飲めるでしょ、って言ってるの」と説明してくれました。私は「へぇ~、それはまさに言葉の力だね」と一層心が動かされたのでありました。

ジェイが産まれてからもしばらく、エルは「くまちゃん、くまちゃん」と、お腹の中にいた時と同じ名前で呼び続けていました。「くまちゃんじゃなくてジェイちゃんでしょ」と祖父に指摘された時に私は、「いいんだよね、これが、お腹の中にいた、あの、くまちゃんだよ」と言ってあげました。この私でさえ、新生児が増えた生活なんてイメージすらうまくできないのに、エルだってすぐには新しい環境に慣れないはずです。そしてだんだん、私のほうで「ジェイちゃん」とよぶ割合を増やしていったら、エルも名前で呼ぶほうが多くなってきました。そして、自分のことも少しずつ「お姉ちゃん」と言い出しました。今は私からはあまり「お姉ちゃん」とは呼ばないようにしています。自分でその役割を作り出していってほしいからです。

言葉の力というものを考えると、言葉で喜ばせたり、傷つけたり、なぐさめたり、そういう一回性のものに目がいってしまいますが、実はこういう何気ない繰り返しの言葉の中にこそ、底力というか、実効性を持った本当の力が隠れているような気がするのです。

自分の自信のなさを隠すために、へりくだったり、見栄を張ったりしていると、ほんとうにそういう方向ばかりに目が行ってしまうようになります。ふと気がつくと、そんなのつまんないな、って思いました。それよりも、ありのままに、できる範囲のことを、ニコニコとありがたく受け入れている方が、楽しいんじゃないかって。

小さな人たちと一緒にいると、いろんなことに気づかされます。忙しさに紛れてこぼれていってしまう前に、少しでもつかまえて、宝箱に入れてしまっておきたいというような気持ちで、ここに留めておきました。

…こう小綺麗に書くと、子どもの作文みたいですね(^-^;でもまぁ小学生の時よりは上手になったな(笑)