このごろつれづれ。(ワーク・料理・ブロック)2009/12/01 16:07

インフルエンザ騒ぎで、いろんなことが後回しになった先週でしたが、最近のことをいろいろと。

・エルの「入学の準備ワーク」は、基礎編が終わり、応用編に入りました。基礎編はひらがなの読み書き、10までの数の認識と数字書き、時計の読み(○時ちょうど&○時半)が主な内容でした。応用編はその先の、もう少し知育っぽい内容ももり込まれているようです。

エルにとっては親の予想以上に新鮮だったらしく(ペーパー学習というものをほとんどさせてなかったので(^-^;)、なぞペーばりの熱心な食い付きでありました。正直、自分は毎日こつこつということがヒジョーに苦手だったので(苦笑)わが子ながらにちょっと不思議であります。生活の見通しがシンプルだから?性格?入学前のワクワク?まぁいずれにせよ、楽しくやっているようなのが何よりなので、乞われるままに丸つけしつつ、そっと見守っております。

・昨日はエルと一緒に夕食の準備をしました(ジェイと一緒に遊ばせておくともめるので、苦肉の策(^-^;)。子ども用包丁でみじん切りするのが気に入った様子。ねぎとセロリを熱心に刻んでくれました。ニンニクは私が切って、鶏手羽元と一緒に大きめのジップロックに入れ、醤油と赤ワインとナツメグ少々に30分くらい浸けておき、オーブンで20分くらい焼きます(←わが家の超定番)。もう一品は、ブロッコリーの茎・葉と玉ねぎとベーコンのコンソメスープ。キッチンで一息つきながら、一緒にかりんを漬けたはちみつのお湯割りを飲み、「ママは毎日こんなことしてるの?」「そーよ、ごはんは毎日食べるからね~」と、しばし主婦を体験したようです。

・ジェイですが、何でもこわいこわい期(=ママべったり期(^-^;;)もやや脱し、一人で静かに遊ぶ時間が増えてきました。虹色教室的に大ブレイク中のレゴ・デュプロですが、ジェイ(もうすぐ1才10ヶ月)でもくっつけたり外したりすることができるという操作性のよさは秀逸です。ウチは「とりあえず」って感じで買っておきつつあまり活用していなかったラインがたまたまデュプロでした。レゴシリーズの方も、小さな箱のセットを買ったことがあるのですが、エルの「(小さい部品を)外して~!」攻撃に困って、一人あそび推奨のため、デュプロの大箱をいくつか買ってありました。

なおみ先生が厳選されただけあって、そのシンプルさと扱いやすさは、算数的性質を見据えた教材としては、ベストなのではないでしょうか。美しさや完成度という点はさておき。何かを選ぶということは、何かを選ばないということかもしれないですね。対象物の持つ性質と制約を知り、自分の中の仮想と重ね合わせていく作業の中では、シンプルなもののほうが仮想の精緻化を助けることもあるでしょう。認知資源の配分という点からも見解は一致します。そういう場合の対象物は、道具または副産物という、脇役の扱いです。これは、言語のやりとりや、読書の楽しみというしくみとも、共通するところがあるような気がします。

認知科学に、モデル論という考え方があります。複雑な脳の働きのうち、注目したい認知のしくみだけを取り出して、モデルで表すことにより、アイディアを発表したり共有したりすることができる。また同時に、アイディアを特定のモデルの形に具現化することによって、そのアイディア自体も洗練されて本質的なものになっていく、というな、アイディアとモデルの相互作用のありかたも含んでいます。これをデュプロにあてはめると、制限の多い素材を使うことによって仮想が練られ、表現されるものがシンプルかつ本質的なものになりやすい、ということになります。このシンプルかつ本質的、というのは、複雑な現象から数学的な側面を抜き出して凝縮させていく方向と一致しているように見えます。

とりあえず、デュプロが手元にあったラッキーに感謝しつつ、エルの興味を見据えながら、オンライン教室は赤丸要チェック中、という感じです。素晴らしい教育用素材がいつでもどこでも利用できる、ネットって、本当に便利ですね♪


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KIDS BOSSA(車の中のBGM)2009/12/03 16:50

車の中で、アンパンマンのベストCDのヘビロテっぷりにうんざりし、「うたううあ」も飽きてきた。そこで、年末年始の移動用と思ってKIDS BOSSAというCD(&KIDS REGGAE)を買ってみました。音とリズムの完成度的にはまあまあかなーという感じですが、子どもの声がとても可愛いです。こわいこわい期のジェイでも安心して聴いてます。プチな英語耳用にもちょっと便利。クリスマス版もあるようなので、チェキラです♪

『数学の学び方・教え方』(本レビュー)2009/12/05 17:42

エルが小学校に入るにあたって、教科教育の本質というか、大まかな自分なりの方針を探ってみたいなぁと思い、『数学の学び方・教え方』と『祖国とは国語』を読んでみました。まずは、数学のほうから。

『数学の学び方・教え方』は、なんと1972年に初版の本なのですが、全然古くないです。いやむしろ、ゆとり教育で骨抜きになった教育方針以前の、割とまともな時代の真っ当な研究とも呼べるかもしれません。

まずは教科書と数学教育の歴史の概観。それから、子どもに学ばせたい順序で、量→数(四則演算)の解説になります。その先は集合と論理→空間と図形→変数と関数という章立てなんですが、現在直接の興味から少し離れるので、そこはまだ読んでいません(^-^; 具体的な教示方法というよりは、もっとも基本的な概念のとらえ方、歴史的な必然性や子どもにとって切実なポイント、そしてなんといっても一番の特色は、タイルによる概念の提示方法が示されていることです。

タイル、なつかしいなぁ。低学年の頃に使った、オレンジのぺらぺらな磁石板のタイルを思い出します。10個集まったら同じ大きさの棒状のものと交換して10の位に置く…みたいな手続きがまどろっこしくて、私自身はすぐに見捨ててしまった気がします(^-^; そのタイルの、無限とも言える可能性を感じる利用方法が随所に見られます。タイル指導をする人はすべからく、この本からその輝く可能性を読み取って、その片鱗なりを子どもに伝えていくべきなんじゃないか?とさえ思います。見直したぞ、タイル。すごいぞ、タイル。名前付けが超面倒だけど、がんばるぞ(笑)

最初のページからステキな文を引用してみます。

「(2+3の答えを出すには)たくさんのやり方があります。そのなかから、子どもにいちばん考えやすいものを選び出すことが、教育としてはまず必要なわけです。子どもにとって考えやすいばかりではなくて、その同じ考えを将来も使える---つまり発展性のある考え方をおとなが探してやるということが、教える側の任務だと思うのです。」

まずは子どもにあくまでも聞いていく。そうすれば、いちばんやさしい発展性のある考え方を、発見することができるだろう、というのです。

この時、子どもに任せる部分、観察するポイント、各やり方の発展性の評価、子どもに伝える内容、発見と教授の境目、などのバランス感覚は、まさに一期一会で、刻々と変化していきます。この微妙な変化に、のんびりとつきあうことができるのが、家庭教育ならではのよさなのかもしれないと、最近感じるようになりました。学校教育とは違った内容ややり方で構わない。学校ではなかなかそこまで手を伸ばせないけれど、本質に結びつくような切実な内容を、親子で一緒にかいま見られれば最高かもしれない。とりあえず親が用意しておいた雑多な材料を、子ども自身が選んでふるい落とす。それでいいのかな、と。

本文に戻りますと、「数」以前の基礎となる、広義の「量」概念について、ページを割いて丁寧に追っています。学び始めの子どもが持つ切実さに訴えかける(発展性を見据えた)情報もたくさんあって、それ自体がまとまって興味深い内容でした。

有名な「水道方式」も出てきます。意味と発展性を持った計算練習ということで、もっともっと評価されていいのではないか?と感じる点がたくさん。

また、小学校算数で最難関の、分数のかけ算・わり算の「意味」を、タイル方式で見事に表現したくだりは圧巻です。長年の微妙な疑問が明示されていて、スッキリしました。ぜひ、図書館でも立ち読みでも、ざっとのぞいてみてください♪

以下はホントにささやかな余談。

どうして学生時代にこの本を読んでなかったかなぁ…と多少悔やみつつ読み進んだのですが、いや、これ、読んだかもしれない、と後からなんとなく思い出してきました。しかしその時に拾った情報は、せいぜいタイル利用の有効性くらいのものだったようです。一行一行の説得力が何かの啓示のように感じられて、研究がそこへぶれてしまうのが怖かったのかもしれません。そしてわざと、認知科学という窓から、実証主義というフィルタをかけて、狭~く算数教育を眺めていたのかもしれないと。これは全く、研究というものに対する、消極的な方法論的定義でした。行き詰まったのも当然だなーと、今更ながらに敗因の分析をしてみたのでした。しかし、人間は失敗から最もよく学ぶ(はず)!

今の私には、目の前に、生活する子どもがいる。その子どもの目線を借りてこの本を読むと、なんとも、地に足のついた正確な記述がたくさんあり、早速試してみたくなるような工夫もざっくざくです。けれど、これはこの先数年分の情報なので、はやる気持ちを抑えつつ、ネタだけはしっかり仕込んでおき、エルがそのきっかけを自分で引っ張り出したところに、「じゃ~ん!」と鮮やかに取り出すことができたらいいなぁ…などと妄想したりして。

何度も読み返しながら、改めてもう一度、「自分が目指していたのは/いるのは、一体何だろう?」と自問しているのでありました。素晴らしい本は、そこにどっぷり浸った後でも、もう一度楽しいのですね。


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