丸暗記2題:英語スピーチと答辞。 ― 2010/03/08 12:39
エルもまだ就学前だし、白黒がはっきりつくお勉強モノはスパイスとして上手に使おうと思っていますが、一方で、丸暗記させる(というか、一緒にする)のは結構好きだったりします。微妙にリバイバル中の「素読」ってやつですね。意味が半ばわからないままでも頭に入るというのはこの時期の特権。というか、そうでもしないとジャンジャンバリバリと先へ進めないのでしょう。それでいいのだ。
このところ、丸暗記課題が与えられまして、一つは、習っている英語教室のスピーチコンテストの課題。とはいっても、最初級レベルで、文章は6つ。あいさつ中心のほぼ定型で、例文とは名前と好きなものが違うくらい。
毎週教室で練習してくれるおかげで、私はほとんど手伝わなかったです。お風呂に入ったときに、入場スタートの声をかけ、スピーチの後の拍手をするくらい。発音も聞かれたら答えましたが、まるごとの見本はなるべく示さないようにしました。あとは、言葉に詰まったときの頭出しと、間違いを指摘するくらいかなぁ。先生方のご尽力で、なかなかしっかりと発表できました。
次に、答辞。成り行き上クラス代表に決まったらしく(よりしっかりものの子たちはみな、すでに別のイベントで代表をしているらしい…)、当日読む文章を持ってきました。
卒園式までまだ3週間ありますが、いやー、どうやって覚えさせようかなー、とちょっと考えました。普段私と一緒にやっている古文系丸暗記は、普段使わない言葉なので、かえってやりやすいのです。答辞となると、普段使う言葉や意味が微妙に干渉したりするので、一字一句違わず正確に覚えるのは、結構難しくなります。
そこで試行錯誤した練習メニュー。名づけて「三遍稽古(←落語の教え方なり)」
1日目:姿勢
まずは正しい立ち方から。下半身を固め、上半身はリラックス。3メートルくらい離れて向かい合って立ちます(練習のときはいつもこの姿勢。また、この練習の場以外では、私のほうから思い出させたりはしません)。
私が紙を見て文章をゆっくりと3回読みます。エルに紙を渡して3回読ませます。常に正しい姿勢で記憶しておけば、当日も身体が勝手に動いてくれるものです。
2日目:大まかな内容を覚える(通しで記憶)
私が一度紙を見て読んだ後、エルも紙を見て3回ほど読み、次に、二人で一緒に、紙をなるべく見ないで思い出します。紙がなくてもなんとかなるように、早めに視覚を離れて、聴覚&運動感覚経路に入れます。
3日目:文章の流れを覚える(文頭を記憶)
私、エルの順に、紙を見て一度読んだ後、紙を見ないでエルが一人で思い出します。私は、言葉に詰まった時に頭出しをしたり、大げさなジェスチャーをしてヒントを出したり、最後には、二人で部屋をぐるぐる歩き回りながら、一緒に練習しました。ことばに意味を添えたり、対比したり、動きながら覚えたり、バラエティーをもたせます。
4日目:文章の細部を覚える(メタ認知)
文章の順に、一語一句を丁寧に思い出します。ここが最も手ごわいヤマです。私のダメ出しの仕方も悪くて、エルがべそをかく始末。
何に対して泣いているのかをよくよく見極めることが肝心です。どうやら、私のやり方に対してではなく(もしそうなら、途中で怒ったりやめようとしたりするはず)、自分の記憶と発声が、思うようにならないことが苦しくて、声と一緒に涙が出ているようでした。
いつもより時間をかけて、とりあえず、毎回間違えるところを、指摘しなくても言い直せるようにはなり、まずは一段落。
私も、ホントは涼しい顔で「ハイ、違います。どこが違ったでしょ~かっ?」と言うべきだったのに、途中で「ちがーう!」「ブブー!」 などを即時に連発してしまったのがNGでした。エルもその辺よくしたもので、「あのね、文章が全部終わってから、一呼吸おいて、ちがいます、って普通に言ってほしいの」と要求。ちょっとびっくり。ハイ、そのとおりすぎです…(^-^;
親が何かを教えるときに最も気をつけないといけないのは、「達成度に対して感情を動かさない」ということですね。間違っても合っていても、その時はさらっと流す。ほめるなら、全部が終わってから、達成ではなく、努力に対して、ほめる。もし感情を動かすとしたら、学んでいる内容を豊かにふくらませるために使うべきだと感じました(例えば内容を表すジェスチャーや、矛盾点を突っ込む笑いなど)。
こんな感じで山を越えたところで、あとはゆるゆると維持レベルでいくことに決定。
5日目:大きな声を出す
私がいつもより後ろにさがって、「今日は、少々間違えてもいいから、腹の底からしっかり声を出す練習でーす!ホールの一番後ろの、端っこの人まで聞こえるように!」と指示し、ニコニコしながら聞いていました。アイコンタクトやうなずきに頼らなくても再生できるように、目を合わせたり、合わせなかったりは、重要度とは関係のないタイミングにしました。
言い間違いを訂正するところもまだ2箇所ほどあるのですが、ま、助詞とか言葉が重なるレベルなので、「前の日までは直しても、当日は言い直さずに、堂々とそのまま言いなさい」と助言しておきました。
今後は、
・緊張したときのために、複数経路で記憶しておくとよいこと(一連の流れ、頭出しののみ、文章単位など)。
・みぞおちをやわらかくするために、おへその下に力を入れて、肩の力を抜く。声が広がっていくイメージ。
・間の取り方。聞いている人がどんな風に感じるか。
などをぼちぼち伝えていきたいと思っています。
なれないことをしたもので、疲れました(苦笑)エルはやる気満々で、当日私を感動のあまり泣かせようと張り切っています。大きなハンカチ持って行かないと(笑)
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