○○は同じだけど、××が違う(6才の要約力)2009/10/15 02:00

少し前に、母の私でさえ、ちょっと驚いたできごとがありました。

うちはだんなさんの両親と同居しています。エルの祖父は、食事の前に丸薬を飲みます。10錠をいっぺんにすくえる薬匙があり、エルはそれを使うのが大好きで、祖父が薬のびんを手に取ると、即座に「やらせて!」と飛んでいきます。

ある日、エルは、すくった丸薬をじっと眺めて言いました。

「これ、ピカピカしてるのと、光ってないのがあるね」

「それはね、元々入っていたのが少なくなって、他のを入れたんだよ、最初に入っていたのは△△ってメーカーで、後から入れたのが□□ってメーカーので、ちょっと小さくて光ってるけど、中に入っている成分は同じでね…」

と、懇切丁寧な説明をしてくれたのですが、ちょっとことばがとぎれたとき、エルがいきなり

「えーっと、種類は同じだけど、メーカーが違うってことね!」

とズバリ要約。祖父も苦笑して「そういうことだ」と、説明はおしまい。

私は、明示的に「○○は同じだけど、××が違う」という言い方を教えたことはなかったので、その模範解答っぷりに、むしろただ驚いたのでありました。

今日たまたま読んでいた、小学校お受験塾の先生が書いた教育本に、ピアジェの保存の話が出ていたので、そのエピソードを思い出しつつ、エルに本の中の図を見せて、聞いてみました。

「同じ形のコップ、AとBには、同じ量の水が入っています。今、Aはそのままにしておいて、Bの水だけを、Cという背の高いコップに移し替えました(と、移すジェスチャー)。さて、問題です。AとCでは、どちらが多いでしょうかっ?」

「え?同じ」

「どうして?」

「だって、ジャーってこぼしたり、チュチュって飲んだりしてないんでしょ?だったら、同じでしょ、あたりまえじゃん」

「…だよねぇ、おかーさんもそう思う。昔からそう思ってた。」

年長の10月ともなれば、フツーのこととなってしまうのですねぇ、保存。しかしお受験には締め切りがあるのよね、という至極当然のことを、しみじみと遠く思ってみるのでありました。

年齢相当より早くできる、いついつまでにできる、ということが、どういう意味を持つのか、あまり考えないようにしていたけれど(なぜならエルは、大概のことで同級生より3ヶ月から半年遅れ~って感じだったので(^-^;)、目の前のエルを見ていると、なんだかそんなことを考えなくても、まぁいつかはなんとかなるのよね、という気持ちになってしまったのでした。モンテの敏感期ってやつもミョーに気になる単語ではありますが、心の準備だけは仕込んで置いて、あとは目の前の子どもさえよく見ていれば、ムダに不安にならなくてもいいのかな、って。

ピアジェの保存課題は、その結果の頑強性にもかかわらず、さまざまな批判がありまして、新ピアジェ派のシーグラーという人あたりまではキャッチアップしていたのですが、まぁ、今になると、懐かしいなぁ。しかし、「あたりまえじゃん」とまで、自分の子どもに言われるとは、当時想像だにしなかったなー。それは研究室と家庭の違いなのか、隔世の感があります。


↓実は先日まで、お受験が年長の10月だってことすら知らなかったです(爆)

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