リズムと呼吸の読み聞かせ(日本語練習メニュー)2009/10/18 08:03

読み聞かせは、お座りのころから始めました。昼間遊んでいるときにぼちぼちと。「なりきりあおむし」の記事のごとく、この時期のものは読み聞かせとは呼べないようなテンションなんで(笑)1日3回くらいが親的には限界ですねぇ(^-^; 主に、絵を眺めながら、物や感情や動作のジェスチャーで遊びます。連想される歌が出ることも。

片言のことばが出てきたころ(1才半前後)から、「この本読んで!」と持ってくる回数やバラエティーが増えました。短いことばの本ならそのまま読んだりもしますが、集中力がイマイチの時は、ジェイ語&ジェスチャーということもあります。また、生活場面がきっかけとなって、この時はこの本だ!と本棚から出してくることもあります。そういうときは、「本」を読んで欲しいのか、「物事」を参照したいだけなのか、まずそれを観察してから反応します。

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2才前くらい(卒乳後&ある程度ふとんの中でじっとできる頃)から、読み聞かせで寝付かせるようになりました。エルは、わからなくても、とりあえずじっと聞いていることが多かったので、多少長い話でもおとなしく聞いていました。(身体を動かして反応するジェイは、もう少し違ってくるかもしれません。)

最初は、話の内容よりも、声に出して読んだときのリズム感を中心に本を選びました。(「ぱくっ」、「いいないいなこのおうち」、「しりとりあいうえお」など)。内容がくり返しなのも、予想ができて、安心するようでした(雑誌「おひさま」、「おおきなかぶ」、「ねずみくんのチョッキ」、「わたしのワンピース」)くり返しのリズムが眠りを誘い…私のほうが先にうとうとすることもしばしば(^-^;

日本語の持つリズムを耳で心地よく感じるのが主な目的だったので、そのリズムをやや強調するような抑揚や間を少しだけつけました。幼い子への読み聞かせというと、抑揚をたっぷりつけて、間も多めにとり、目を見て…などとも言われますが、私は、母が子に話しかけるような、ナチュラルな感じの延長上に、リズムを乗せました。

読む速さは、どの時期でも、私にとって自然な速さよりも、少しだけゆっくり~普通の速さ、でした。エルが暗記していると感じられたら、少し早めに読むこともありました。(エルは暗記するのですが、私は覚えないんだよね~不思議なことに(^-^;)速く読むことは、ワーキングメモリに一度に入ることばの量を増やすかもしれません。速読術なんかではそういう練習もするようです。(余談ですが、速読の究極のキモは「素早く上手にページをめくる動作」だそうです。)

同じ本を繰り返し読んでいたため、私は少々飽きるので、その日によって少しずつバージョンを替えてみたりしました。「どろぼうがっこう」は、歌舞伎風にしたり、「がまの油」は物売り調にしたり。落語絵本もいいですね。そんなときは、ハラの底にぐっと息をため、まっすぐに澄んだ声を出して演じることを心がけます。こういうのはかなりウケるので、なかなか寝そうもないな~という日の、最後の遊びとして。

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だんだん大きくなってくるにつれて、「長い物語」を読むようになってきました。目的は内容を頭の中で構成することです。その時に気をつけたことは、文の区切りです。適切な区切りによって、単語がスムーズに理解されます。すぐにわかる単語の数が多ければ、わからないことばや言い回しがあっても、案外おとなしく聞いているものです。

理解や記憶が目的ではないので、感想を聞いたり、質問したりすることは、ほとんどありません。子どもの方から聞いてくれば、端的に短く答えるようにしています。なるべく、具体的な事物や、本人の経験をあげるようにして、それらの内容を深く結びつけるやり方は本人にまかせます。

生活の中で、本の一部が出てくれば、それをどんどんふくらませて、予想もしない方向へと展開するのを楽しみます。

6才以前は、本を図鑑として使うよりは、読み聞かせをもとに、味わったり楽しんだり使い回したり、ということが多かったですね。まるごとの情報を、分析せずに持っていられるのは、このころまでの特徴かもしれません。ある意味、うらやましい。

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さて、6才過ぎるとエルは、「かがくのとも傑作集」や、学研の「ひみつシリーズ」に強い興味を持ち始め、くり返しリクエストされました。同じ頃から、自分で本を出してきて、静かに30分~1時間くらい読んでいることも多くなりました。自分で読むときは、幼稚園から毎月もらってくる「かんがえる」という雑誌や、「たのしい幼稚園」なんかも多いのですが、少々の漢字があるような絵本でも、なんとなく眺めたりしているようです。

5才すぎ頃に、ひらがなやカタカナも読めるようになり、エル自身も音読ができるようになりました。不思議なことに、記憶を頼りにしているせいか、最初から、まとまった音になって、すらすらと読むのです(細部は少し違っていたりしますが)。知らない単語のところにくると、明らかに違った調子で、1音ずつ拾って読みます。最初は短いお話を、お友達やジェイに本を読んであげることで、自信がついたようで、最近では、少し長いもの(「ふたりはともだち」など)も、ジェイに読んであげています(ジェイは途中で飽きてうろうろしたりするのですが…(^-^; 本人はひたすら読んだりしてます)。

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読み聞かせをしてきてよかったと思ったことは、6才過ぎてきて、少し長い文章の形で話をしても、焦点がぼけずに、頭の中にすっと入っているような感じがするところです。また、エルに対して、単語ではなくて、こういう文型にあてはめて表現するようにと指示しても、わりあいきちんと使いこなすところです。

「幼稚園までは、単語でも何でも、言いたいことが伝わればそれでよかったのだけれど、小学校は、同じ内容だとしても、きちんとした文章でお話しする練習をするところだよ」とエルには言っています。そうなんです、小学校は、今までに経験した、生活の中での知識を、「科学的」方向を持って、体系づけるところだと思います。文化に対しては、種まきの時期。その流れでは、中学校は文化の基礎や枠組み作り、高校生以降で作り上げていく、とも言えそうです。もし大学へ行くのならば、好きなことを見つけて、自分にしかできない研究をしてほしいと願っています。

と、想像をたくましく先まで伸ばしてみましたが、親の希望や予想よりも、まずは目の前にある子どもが第一ですね(^ー^)


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