晩秋のテラスにて。 ― 2008/11/10 14:46
今日もとりあえず。新規作成の画面を出してから、さぁ何を書こうかな、と新しいノートを初めて開いたような気持ち。
今日は1日中どんよりな曇りで、風が冷たくて、まさに霜月到来って感じです。日が差すとそこだけは温かくて、貴重な晴れ間にテラスの落ち葉掃きをしました。ジェイは外用ハイチェアに座らせて、黄色くなった山桜の葉っぱをかじらせておきました。木にしがみついている葉っぱは20%くらい黄色くなっています。さぁこれから掃除が日課だぞ、と、完全な掃除はしない決心をするのでした。掃除が終わった瞬間に、2,3枚葉っぱが残っていることが望ましい。「またこんど」の気持ちを維持すること。
開発好明さんというアーチストがいて、10年以上前に「365プロジェクト」という活動をしていました。開発さんと同じ背の高さの木の箱(確か実物大の顔写真付き)を365個、全国の希望者に配って、好きなように使ってもらい、1年かけて開発さんがそれぞれの様子を見に行く旅です。当時NHKのBSでやっていてたまたま見ていたのですが、さっき落ち葉掃きをしていて突然に思い出しました。そんな活動に何の意味があるのか?と問えば、たぶんせっぱ詰まった意味は無いと思う。でも、そうやって365個の生活やら使い方やらを「実際に」見て回ることは、365個の箱以上の広がりと奥行きを持っているように感じます。
365プロジェクトは、開発さんにしか実行できないし、それぞれの箱の持ち主は、その人にしかできない使い方をする。それを鑑賞して解釈する側も、自分だけの価値観や知識を総動員して、自由に考える。人間は一人一人違いますが、目の前にある現実や、ある限られた時間と空間を共有することはできる。
開発さんはコミュニケーションをテーマとするアーチストだそうです。なるほど、共有。ジェイと私はこの薄曇りのテラスで、山桜の落ち葉の湿った匂いを、遠くでカラスが鳴き応える声を、共有することができる。それでいいのかなぁ、って。昨日の論調とえらく違いますが(^-^; そんなことから始めてみようかと。
黄に着替え 旅待ち揺れる 桜の葉
今日は気分がいいみたいだ(笑)
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